タクシー日記
日本版ライドシェアタクシーの考察
日本版ライドシェアタクシーの考察
いつもタクシーのご利用有難うございます。
先日、政府の規制改革推進会議は日本版ライドシェア
(以下、NRS)の拡大、バスや鉄道事業者を参加を
促すための制度改正、答申を決定しました。
NRSの他には給与のデジタル払いや糖尿病検査薬を医師
の処方箋なしで購入できるようにする、医薬品研究のため
個人の診療データ利活用などの規制緩和策があります。
2025年3月時点におけるNRS及び公共ライドシェアの
状況を全国的に見てみましょう。
・NRSの目的(2024年3月創設)
タクシーの輸送力供給の補完
・ドライバー(登録7927人)
第一種運転免許の保有(所定の研修を受講)
・実施主体(稼働台数約11万台、運行回数約60万回)
タクシー事業者
・使用車両
自家用車
次にかつては自家用有償旅客輸送と呼んでいて、
最近は公共ライドシェアと呼び方が変わった、
・公共ライドシェアの目的(2006年10月創設)
交通空白地域における移動手段の確保
・ドライバー(奉仕精神で働く方が多い)
第一種運転免許の保有(所定の研修を受講)
・実施主体(導入市町村は全国の37%)
市町村やNPO法人など
・使用車両
自家用車
※2023年12月、2024年4月により円滑に導入が
できるよう大幅な運用改善を実施しました
今回は「NRSってこの先どうなる?必要?」
について全国的に検証します
(大阪市域はNRS不要!と以前ブログ投稿済)
上に記載した運行回数60万回が多いか少ない
か分かりにくいですね。
例えば、石川県加賀市では1年間に1301回。
1日の利用は平均3~4件。
新潟市南区では5ヶ月間で35回、小千谷市では
2ヶ月間で4回、その他地域も本当に少ない。
政治家の菅氏や小泉氏が近しい神奈川県三浦市
には3500万円もの税金を投入したが244日間で
906回の利用。1日の利用は平均3~4件。
3500÷906=1回利用当たり約4万円の税金使用
結論、どこを見てもNRS利用回数は伸びていない。
地方ではすでに公共ライドシェアがあり、運転
代行があり、大きな施設は送迎サービスを実施
しています。業界最大手の第1交通さんは交通空白
地域をタクシーで解消しておられます!
8~9割の市民がマイカーを持っている地方都市では
普段タクシーのこと、郡部地域の交通事情を考える
人、関心を持つ人はかなり少ないです。
電気、水道、ガスは当たり前のように供給される
と思う日本の方は多いですが、交通は最早当たり前
のように供給されるものではなくなってきています。
「じゃ、NRSでいいじゃないか」
ではない!のです、NRSを民間事業者に丸投げして
1年以上やってきたので、これからの予測も可能です。
これからは国がもっと責任を持って移動を確保、
安心して誰もが移動できる仕組みを整えるべきです。
NRS?一般人の自家用車に乗り込む?不安です!
という方々が多くいらっしゃいます。
大阪ではオンデマンドバスを大阪全域24区で運行
する計画があります。このような「乗合」の運行
形態自体は効率が良いです。一家に一台どころか
一人一台のマイカー、通勤などで2トンの車両に
一人だけ乗るのが最も効率が悪いと考えます。
自家用車をタクシー代わりに使うという発想は、
現在のNRSではない形で。日本国が持つ移動資源の
総動員に本気で舵を切る、その時が「いま」です。
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